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お知らせ

Surge Capacity

 2025年正月のインフルエンザ流行は過去にない爆発的な流行でした。多くの患者さんが救急医療機関に殺到し待ち時間5時間など通常の医療供給体制を超えた厳しい状況でした。2024年の1.5倍の受診者数だったそうです。このような需要と供給体制のアンバランスは感染症流行や大規模災害で見られsurge capacityとして検討されています。「surge」すなわち「押し寄せる大波、群衆」に対する対応力です。MSCC( medical surge capacity and capability )handbookでは竜巻などの大規模災害における医療管理システムを6層のフレームワークで規定しています。大意としては爆発的に急増する医療需要に対して医療、行政が協力して地域内、地域外を含めて切れ目のない医療を提供する仕組みです。
 当院は整形外科の専門医療機関ですがこのような状況で何ができるでしょうか。4年前からのCOVID-19の流行にて入院重要が増加して愛媛県では受け入れ医療機関を増やすことが検討されてきました。当院では感染症専門医及び保健所の指導のもとに内科医と協同して発熱外来、中等症の患者受け入れ、アフターコロナ(急性期医療機関からの転院)の受け入れを行ってきました。また2次救急医療機関からの回復期リハビリ転院なども引き受けてきました。ある程度医療連携が取れたのではないかと思っています。
 地域の高齢化に伴い感染症患者の救急搬送以外に高齢者特有の亜急性疾患(脱水、誤嚥性肺炎、尿路感染症、心不全、大腿骨近位部骨折、脊椎椎体骨折、橈骨遠位端骨折など)の救急搬送も増加しています。愛媛県では2035年までその傾向は続くと予想されています。
 現状の2次救急医療機関はsurge capacity を超えたところで医療を提供しているので病床ひっ迫、医療従事者の疲弊は相当です。当院での救急医療の支援には限りがありますができるだけといった気持ちで取り組んでいます。

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